マレーシアからシンガポールへ
クアラルンプール編


一夜明けて、今日はクアラルンプールの街を見て回りました。
まず向かったのは、このマレーシアという国を統治している王様の宮殿です。

ホテルの玄関から差し回されてきた車に乗り込むと、町はずれ近くの宮殿に向かったわけですが、道路を走っている間は冷や冷やし通しでした。

マレーシアの人達は、歩いていてもノンビリゆっくり、お仕事をさせるとモア・スローリィー(苦笑)
本当にゆったりとした時の流れの中に生きておられるかの如き国民性を持っているのですが、車のハンドルを握らせたとたん、人間性が変わっちゃうみたいです。

信号が青になると、まるで騎馬軍団のようにオートバイの一個大隊が突進してきます。
その後から、かつて木曾義仲が倶利伽羅峠の戦いで使ったような猛牛軍団の如き自動車隊が・・・・・・
なんて書き方をすると、「どんなじゃ?」てな感じになるでしょうが、それはそれは、ビックリするような荒っぽい運転をする人ばかり!

制限速度は一応決められてはいますが、皆、そんなのを守っているんだろか?
ハイウェーでは、さながらカーレースのように追いつき、追い越しそして車の列に割り込んでいく。
日本ではどんなに混雑している交差点でも、最近はあまりクラクションの音は聞こえませんが、この国では凄い!
あちらこちらでけたたましくクラクションの音が聞こえてきて、良く言えば活気がある、悪く言えば騒々しい。
もう、それに尽きます。

私はガイドさんの案内などはほとんど上の空。
車の窓から外の様子を見ながら手に汗を握る心地をし、力の入った肩がこり始める頃にやっと宮殿前に到着しました。(ホッ!)

マレーシアの王様は、日本やイギリスのようにお一人ではなく、9人もいらっしゃいます。
何故なら、マレーシアは昔からたくさんの部族に別れていてその部族の首長=サルタンが、いわば王様であるからです。
ですから、この国では総理大臣と同じように王様も交代制で国を統治しておられるとか。
今の法律では、王様の任期は5年間。
5年経ったら、別の部族のサルタンに王の位を譲るのだそうです。

マレーシアの代表としてこの宮殿に住んでいる王様以外のサルタン達は、先祖代々から治めている土地に住んでその地方を統治していらっしゃいます。
そして、王様になる順番が回ってきたら、留守を知事に任せてご自身はこのクアラルンプールの街で5年間、住まいされるわけです。

門の前に立つと、やっぱりここは王様の御殿なんだという感じがします。
門の両側には、抜き身のサーベルを胸にあてがって馬に跨った兵と、銃剣付きの鉄砲を肩にあてがった兵が、さながらバッキンガム宮殿の門兵のように、4人ともぴくりとも動かずに門を守っていました。
そしてもう一人、やたらのラフなスタイルのお兄ちゃんが門の周りをウロウロしてる。
初めは得体の知れない妙な人だと思ったのですが、我々がしばらくその辺りを見物しているうちに、この人も重要な任務を帯びてそこにいることが分かりました。
お馬さんは時も場所も選ばずに○ん○をしてくれますからねぇ。
何しろ暑い国のこと、すぐにお掃除をしないと一帯に異様な臭気をまき散らすことになってしまう。
だからその人は清掃担当要員だったんです。

宮殿の門は、この国が金の主要な産出国らしくたくさんの金で飾られ、門の斜め向こうに見える宮殿の屋根も金色に輝いていました。
この日は王様はご在宅で、その印として宮殿の前にあるポールにこの国で高貴な色とされる黄色い旗が、掲げられていました。

次ぎに向かったのは、「国立博物館」
白い瀟洒な門構えですが、門そのものはやはり金で飾られた豪華な建物でした。

この博物館では、おもにマレーシア人に古くから伝わっている風習などが、等身大の人形を使ったジオラマ形式で展示してありました。

この国は独立して45年になりますが、長い間イギリスの植民地として支配を受けてきたり、戦後は急速に国が発展したりしてきたため、自国の固有の文化を知らずに大きくなった人が大変多いのだそうです。

そしてまた、中国系の人々、インド系の人々達とも同じ所に入り混じって住んでいるために、その人達固有の文化をも学ぶために設立された博物館のように思いました。



マレー民族の結婚風景

これは、今はインドネシアのバリ島などに行くと観光客のために演じられることの多い影絵ですが、マレーシアにも昔は庶民の娯楽の一つとして、影絵を演じられることが多かったそうです。

この博物館には、我々観光客だけでなく、年度替わりのお休み中の子供達がたくさん訪れていました。
学校行事の一つになっているのか、制服を着た中学生くらいの子供達もいっぱい。
よその国へ行っても、洋の東西を問わず子供達の集団はとってもにぎやかでした。

一つ我々がビックリしたこと、それから後でガイドさんまでビックリされていましたが・・・・・・
それがこの左の写真にある掲示板。
この博物館の大人の入館料を掲げてあるわけですが、大人一人につき入館料は、1リンギット。
この日のレートで計算すると、1リンギットは日本円にして約31円になります。

確かに、日本とマレーシアでは国民一人あたりの年間所得は大分違いますが、でも、自国の大切に文化を知らしめるための施設なら、日本の博物館も、もう少し安い料金で入ることが出来れば良いなぁって感じてしまいました。
ちなみに、東京上野にある「国立博物館」では、常設展で800円はしますよね。
それを現地人のガイドさんに言ったら、目をパチクリされました(苦笑)

  次ページへ

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送